《横山教授に聞く 科学のふしぎ》高速で動き続ける星

-しつもん-
 「宇宙に星が浮かんでいられるのはなぜ?」

 ボールを上に投げたらすぐ地面に落ちてしまうのに、どうして空の星はずっと浮かんでいられるのでしょうか。
 では、ボールを横に投げてみた時のことを考えてみましょう。ボールを速く投げれば投げるほど、どんどん遠くに飛ぶようになりますよね。なんと、1秒間に7.9キロ(新幹線「のぞみ」号の100倍)というものすごいスピードでボールを横に投げると、ボールは地球の引力に負けずに一度も地面に落ちることなく、地球を1周することができるのです。
 もしボールがものすごい速さで進み続けることができれば、そのボールは浮いているといえるでしょう。人工衛星はそうやって作ったものです。
 実は夜空の星たちも、ボールと同じように1秒間に数百キロというスピードで動き続けているので、他の星の引力に負けずに浮かんでいることができるのです。そんなに速いスピードで動いているのに星がのんびり浮かんでいるように見えるのは、地球と星があまりにも遠く離れているからなのです。

東京大学国際高等研究所
カプリ数物連携宇宙研究機構長
横山順一教授

掲載日
2018/09/09

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